治療した病院の地域から離れて Hさん(女性・30代)
「ご自身の治療歴やフォローアップの状況について教えてください」 |
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5歳の時に急性リンパ性白血病で3ヶ月入院をし、その後、小学校4年生まで通院しながら治療をしていました。中学1年までは普通に学校に行っていたのですが、中学2年生13歳の時に再発をして、また入院治療をし、14歳の時に骨髄バンクから移植を受けました。 私の場合は、化学療法をした病院と骨髄移植をした病院が違ったので、高校生の時には両方の病院を受診していました。白内障の晩期合併症があり、高校生から通う診療科が増え、大学生の時には甲状腺機能低下症にもなったり、ステロイドの影響で膝も痛くなったりしたので整形外科の受診もするようになりました。膝は近隣の整形外科を受診した際に、最初は疲れと言われていたのですが、治療した病院で画像を撮ってもらったら壊死していることがわかったということもありました。 今は、婦人科、内分泌科も定期的に受診をしています。大学生になる頃から引っ越しが多く、これまで8回くらい転居していますが、軸となるのは治療した地元の病院で1年に1回フォローアップの受診をしています。他の診療科は薬を出してもらわなければならないので、転居のたびに居住する地域のクリニックを探して、紹介状をもらって通院しています。最近は症状も安定していて、眼科や内分泌は半年に1回か年に1回、整形外科も年に1回、婦人科が3ヶ月に1回で薬が切れるタイミングでの受診と、少なくはなってきています。 時間の融通がきく仕事なので、平日の受診ではありますが、そこまで負担にはなっていません。でも、融通がきかない仕事の方だと負担なのかもしれません。 |
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「治療サマリーなどの治療歴がわかるものは持っていますか?」 |
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検査データは紙でもらうので、ポケットファイルに入れて保管しています。 長期フォローアップ受診の際、他の診療科での検査結果を小児科の先生にも見てもらうために、検査結果が書かれた紙を持って行くようにしています。 |
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「転居が多いとのことですが、大変なことなどありますか?」 |
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晩期合併症のため複数の成人診療科にかかっています。 苦労している点は、転院先を自分で探すのには時間がかかること、転院先で求められる情報が紹介状に記載されていない場合があることです。 転居先で受診する医療機関は自分でインターネットで探すのですが、同じ診療科を標榜しているクリニックが複数あると、どのクリニック宛ての紹介状を書いてもらうか悩むことがあります。また、紹介状を持って受診しても、これまでの投薬量の変化などが書かれておらず、医師から尋ねられても、自分も今のお薬手帳しか持参していなかったので説明できずに困ったことがありました。 工夫していることは、紹介状を書いてもらう医師には1か月以上前、できるだけ早くに、今後紹介状が欲しいことを伝えるようにしていることです。お忙しいと思いますので急なお願いにならないようにしたいと思っています。 また、宛名なしの紹介状は自費になると聞いたことがあるので、どこ宛ての紹介状を書いてほしいとお伝えするようにしています。 |
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「健康管理で気をつけていることは?」 |
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長期フォローアップや晩期合併症のための定期的な受診のほか、以前に晩期合併症に関する講演で、こういう年齢になったらどのくらいの頻度でこんな検査をした方がいいという話を聞いて、それを参考にしながら乳がんの検査を早めに受けたり、肝臓に脂肪がつき始めてしまっているようなので、運動したり、食事制限をしたりと気をつけるようにしています。 |